就活は効率的・効果的に!

大学4年のうち、1年以上を就活に捧げる。大学は就職予備校ではありません。そんな本末転倒な状況を打破するために、効率的効果的な就活をお勧めしたい。そんなの思いから、人材業界に関わって30年の筆者が、今までのノウハウ・経験から、就活生に役立つ情報を提供します。

紹介会社は使うな

「紹介会社に登録すれば、いろいろ会社を紹介してくれるし、エントリーの必要のない場合もあるし・・・」
そんな思いから、新卒紹介の会社を利用していませんか?

「紹介会社を使った就活」は即刻やめるべきです。
このブログでは、「効率的・効果的な就活」を提案していますが、「横着な就活」はおススメしません。

一生で一回の“新卒入社”という機会。
就活を有意義なものにしましょう。


●ポイント
紹介会社をおススメしない理由は、下記の3点です。

1.紹介会社を使うと、採用企業はあなたを採用するのに、50~80万円の経費が余計にかかります
もし「紹介会社を使ったあなた」と「普通に応募してきた学生」の2人が同じ評価だったとします、採用があと1枠だったら、どちらを採用するか・・。わかりますよね。

2.紹介会社を使っている会社は新卒を採用企業の30%程度
一方、リクナビマイナビなどに掲載している会社は2万~3万社。
入り口で自分の可能性を狭めるのはもったいないです。

3.紹介会社の立ち位置は「学生であるあなた」の味方ではなく、「採用する企業」の味方です。
であれば、自分でナビサイトやスカウトサービスを使って、どんどんアプローチしたほうが得策です。


●ここから本文
※「●ポイント」に記載した内容を、構造的に解説します。
「えっ、なんで?」と理由が知りたい方はお読みください。

1.人材紹介は、元々「即戦力となる人材」の転職ツールだった
人材紹介は中途採用、それも即戦力採用で一般化した採用手法です。
企業は人材紹介会社に欲しい人材をオーダーし、そのオーダーに合った人材を紹介会社を探して面接をセット。入社に至るとその人の年収の30~35%を紹介会社が企業からいただくという仕組みです。
年収500万の人なら一人採用に至ると150万以上、1000万なら300~350万。
人材紹介会社は高い利益率を誇ります。

紹介する人が即戦力よりさらに上、つまり役員クラスになるとエグゼクティブサーチ(いわゆるヘッドハンティングに近い形です)と言われ、その報酬率はさらに高くなります。

採用企業からすると、欲しいスペックの人材とピッタリの人材を見つけてくれる上に、多くの人の履歴書や職務経歴書(みなさんで言うとESみたいなものです)を見て合否連絡をし、さらに多数の応募者との面接するという事務作業・時間が削減できるので、高額だけど大変助かるサービスなわけです。

同じ中途採用でも未経験者だと、一人採用するのに100万以上はかけれません。リクナビマイナビの転職版があるので、そうしたサービスを利用し採用するケースが多いです(1回求人広告を出すと、50~100万円しますが、何人採用してもその費用が変わることはありません)。

ただし、求人難の時代となり求人広告を出しても集まらなかったり、人事がより生産性を求められるようになり、未経験者も人材紹介で採用することも増えてきました。

その人材紹介サービスを新卒にも適用したのが「新卒紹介サービス」。
当初は「理工系」「海外留学生」「体育会」などピンポイント採用に使われていましたが、求人難となり新卒全般に広がってきました。

しかし、まだ新卒採用をする企業の30%程度しか紹介サービスを使っていません(矢野経済研究所2018年度調べ:28.1%)。

一生に一度の新卒入社。
「企業の採用手法」という本質的でない観点から、企業と出会う可能性を1/3にしてしまうのは、もったいないです。


2.新卒紹介会社はアドバイスが手薄
採用企業側からすると、特定の技術や人脈を持つ人と異なり、新卒の場合は一人当たりの採用費に100万以上もかけれません。

新卒紹介は一人あたり50~80万円が相場です。
すると初回会社は経験者採用とに比べ、実入りが1/2~1/3になるため、学生側へのサービス内容を削らざるを得ません。

経験者紹介の場合は、実入りも大きいため、「職務経歴書(新卒のESにあたります)の添削」「模擬面接」などアドバイスも手厚く、受ける企業の詳細な情報も教えてくれます。

しかし、新卒採用の場合は、希望に合う会社を自社のデータベースで検索した求人票をドサッと送ってきて、「受けたい会社があったら、申請してください」というサービスにとどまっている場合がほとんど。
就活アドバイスはほとんど期待できません。

それなら、自分でナビサイトで検索したり、スカウトサービスに登録する方が、はるかに可能性は広がります。


3.新卒紹介会社が、学生にに寄り添わない理由
新卒紹介サービスが経験者サービスと異なり、応募者(みなさん)のフォローが弱い理由は3つあります。

①お金にならない
経験者紹介の場合、一人紹介して入社すると150~300万程度。
新卒紹介の場合は、一人紹介して50~80万円。
当然、経験者を入社させた方が利益になるので、経験者が死亡企業に受かるためには、担当アドバイザーも協力を惜しみません。
しかし新卒の場合はそれほど利益にならないため、学生側のサービスは手薄になります。

②リピーターにならない
転職者の場合、再度転職をすることも少なくありません。
その際、いいサービスをしてくれた人材紹介会社に再度足を運び点sh草木の相談をします。つまり、一人優秀な転職者を捕まえておけば、リピーターになる可能性があるのです。

しかし、新卒入社した方が入社後やめた場合に、新卒紹介会社に登録することは100%ありません(だって、もう新卒じゃないし・・)。
つまり、紹介会社からするとリピート商売が成り立ちにくい構造となっているのです。

③自社のルートで決まりにくい
経験者の場合は普段仕事で忙しいので、天書っ活動に時間をかけることができません。そのため登録した会社から紹介してもらった会社に決まる可能性が高いです。

しかし、新卒の場合、ナビサイト、スカウトサイト、合同説明会(今はWEB合説がメインですが)、リクルータールート、就職部やゼミの先生の紹介など、企業との接点が非常に多く、自社の紹介サービスで入社する可能性は低くなります。
すると、学生支援は手薄になり、なるべく多くの企業に多くの人材を紹介することで利益を稼ぐしかありません。

 


就活は、「一生で一度の新卒入社」の機会です。
終身雇用も崩れつつあるので、定年まで40年間その会社で働く人も少なくはなってきましたが、やはり「社会に出た1社目」というのはその人のキャリアを大きく左右します。

是非、あなたのキャリアを素晴らしいものにするために、受動的ではなく能動的な就活をすることをおススメします。