採用サイトだけでなく、「企業公式サイト」や「IR情報」をみよう!
企業研究をする時。面接に行く前。
必ず見るのが採用ホームページですよね。
採用ホームページ(以下、採用サイト)は各社が力を入れている広報物の一つです。
ただ、採用サイトは皆さんが作るESと似てるかも・・。
「多少、盛っている」
「他社の採用サイトを参考にしている」
「いくつかの採用サイト制作会社に競わせ、一番かっこいいものを選んでいる」
「“会社”が作っているのではなく、“人事”が作っている」
つまり、会社の「表の顔」しか載っていません。
採用サイトはかっこいいのに、実際とかけ離れていたり、
逆に採用サイトはダサいのに、実はいい会社だったり・・・。
企業研究をするうえで、面接での回答案を考える中で、是非お勧めしたいのが
その企業の「公式ホームページ(以下、公式サイト)」や「IR情報(株主・投資家向け情報)など、採用サイト以外の情報もWATCHしておくことです。
●この記事のポイント
①志望理由は、採用サイトに「載っていないこと」を語ろう
そのためには、「採用サイト」だけでなく、「企業サイト」にヒントがある
②「有価証券報告書」などのIR情報(上場企業なら)をチェックしよう
③一番いいのは“人事を介さない“OB訪問
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1.志望理由は、採用サイトに「載っていないこと」を語ろう
採用サイトを一番見るのは、ES作成前、面接前ではないでしょうか?
志望理由を、採用サイトを参考にして「貴社のココに共感し・・」と作ることが多いと思います。
それでも「無難な回答」になるので決してマイナスではないのですが、
きっとほかの学生も同じことを書いたり、語ったりしています。
よく採用企業からは「どの学生も、『貴社の〇〇に惹かれ・・』」と同じことばかり言うんだよね~」という感想をよく聞きます。
※「そりゃ、採用サイトで〇〇を強調しているのだから、学生はそう言うしかないでしょ」と突っ込みたくなりますが・・・
志望理由の高い企業であれば、企業サイトも見ることを是非お勧めします。
「新サービス情報」「会社の歴史」「IR(投資家情報)」「各役員の紹介」など
採用サイトに載っていない情報がたくさん載っています。
採用サイトに載っている情報と、企業サイトにしか載っていない情報を組み合わせることで、他の応募者とは「異なる視点」の志望動機を語ることができます。
また、その企業の真の姿がわかることも少なくありません。
(「若手を抜擢しています」と言っておきながら、役員が全員60歳以上だぞ・・、とか)
採用サイトは学生しか見ないサイトで、社内でも人事部や人事役員しかチェックしませんが、企業サイトは、「消費者」「取引先」「株主」など幅広い人が見るため、載っている情報も幅広く、社内でも多くの部署(社長も)チェックしています。
志望度の高い企業は、是非公式企業サイトもチェックすることをオススメします。
2.「有価証券報告書」などのIR情報(上場企業なら)をチェック
上場企業の場合は、年に4回、必ず株主に精緻な企業情報を開示しないといけません。
また、経営(株価)に影響を及ぼすことは、即時に開示することが義務付けられています。
そうした記事を企業サイトの「IR情報」から見るのもおすすめですが、一番手っ取り早いのが「有価証券報告書」です(100ページ近くあるのですが、見たほうがいい部分は一部です)。
ポイントは3つです。
①「第一部 企業情報」→「第1企業の概況」→「5 従業員の状況」
②「第一部 企業情報」→「第2 事業の状況」→「3 対処すべき課題」・「4 事業等のリスク」
②「第一部 企業情報」→「第4 提出会社の状況→「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」→「4 提出会社の状況 」→「(2)役員の状況」
①でわかるのは従業員の「平均年収」です。
採用サイトや就職サイトでは初任給しかわかりませんが、有価証券報告書では従業員の平均年収が記載されているので、気になる「給料」もチェックできます。
ただし留意点が3つあります。
1.ホールディング体制を取っている企業。
ホールディングス(本社のグループ会社統括部門)の平均年収しか載っていないことがあるので高めに記載されます。
2.自社工場を持つメーカー。
工場で働く従業員の年収も含めた平均年収となるので、低めに算出されます。
3.平均年齢が高い会社
平均年齢が高いと、平均年収も比例して高くなる傾向にあります。つまり「平均年齢が高い=年収が高い。必ずしも給与水準が高いわけではない」ということも考えられます
この3つの場合は、同業度規模の会社と比較するなどすれば、ある程度推測できます。
②でわかるのは、その会社の「事業課題・事業リスク」です。
面接で「当社の課題は何だと思いますか」という質問をされることもあります。
この項目をチェックしておくと他の応募者と差別化でき、的確な回答ができます。
これらも、同業他社と比較するといいかもしれません。
※課題やリスクの記載が不明確だったら、同業他社で明示されている内容をパクってもいいかも・・。
③でわかるのが「役員の経歴」です。
役員が「若いのか、年寄りばかりなのか」「プロパー社員(新卒入社社員)が多いのか、転職者が多いのか、銀行や系列会社からの天下りが多いのか」などがわかります。
※会社によっては、出身大学が記載されている企業もあります。
ここを見れば、「自分はどこまで出世できるのかなぁ」という最大値がわかります。
3.一番いいのは【人事を介さない】OB訪問
最後になりましたが、一番の情報源はコレ。
なぜ、最後に記載したかというと、下記の理由から、なかなか実施が難しいからです。
「どこの会社でも、できるわけではない」
「時間がかかる(第一志望、第二志望くらいしかできない)」
「新型コロナ感染予防対策で、OB訪問が困難」
企業から紹介されたOBの訪問でも参考になる情報を引き出せるのですが、彼らの多くは「リクルーター研修」なるものを受けています。
宣伝塔的な役割を会社から命じられているので、人事の意を酌んだ答しか返ってこないことがあります。
また、彼らはOB訪問終了後、人事に評価レポートを提出することが多いので、絶対に気が抜けず、本音の質問もしずらくなると思います。
※よくある「OB訪問サイト」も同じです。
一番、「その会社の素の情報」がわかるのは、大学のOB名簿などで志望企業に勤めている人を見つけたり、所属団体OBや知人から紹介してもらう手法です。
ただし、現在は新型コロナウィルス感染予防対策で対面でのOB訪問は非現実的です
可能であれば、「ZOOM、SkypeなどのWEB会議システムで話を聞かせてもらえないか?」お願いしてもいいかもしれません。
ただし、このブログの表題にある「効率的、効果的な就活」の観点からみると、現時点では「効果的」ですが、「効率的」ではありません・・。
採用サイトは、みなさんのESとおなじ、と思ってください。
企業側がみなさんのことを、「適性検査」「能力検査」「グループディスカッション」「数度の面接」でジャッジします。
みなさんも、「採用ホームページ」や「人事の方の印象」だけでなく、多様な観点から「志望企業をジャッジする」姿勢が、就活の成功につながります。
人と異なる視点、差別化が、就活成功の第一歩です!